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2014年10月

2014年10月26日 (日)

清沢満之エッセイコンテスト 「まんしさんに、いま、伝えたいこと」 [一般部門 優秀賞]

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 満之さん、近代と呼ばれた時代を経て、相も変わらず人間的希望、人間的理想主義、つまりは人間的打算、すなわち自我の延長線上のことに明け暮れ、自我との戦いに敗れながらも破れ切れない現代人の私がいます。私は私でありたいと願いながら、他人と比べることで安住を求め、どうあがいても一人でありながら真に一人にすらなり切れぬ、人間の誤魔化し主義が今日もまたここにあるのです。

  

 
 満之さんが命を削りながらも実験された真宗という生きた宗(むね)もまた、わかりやすさという言葉によって、いつしか人間の耳に引き寄せた耳障りのよい教えに成り下がっているようであります。さらに、そのわかりやすい言葉が、徹底的な自己との格闘を阻んでいるようです。絶対に手などつなげないあなたと私が、同じ世界に出遇うことができる
とするならば、それは有限なる自己をとことん真剣に生きたところの、ただ「有限であった」との愚の自覚にしかないのではないでしょうか。しかし、如来に照らされて「私は私でしかなかった」という一つの世界を自覚することすら、天にのぼる向上主義に求める人間の愚かさです。頭の挙げようのない大地のみが私をして私足らしめる一つの世界でありましょう。

 

 
 清沢先生、徹底的に人間を尽くした先生は、御影堂の厨子に罪悪深重煩悩熾盛の影となり座り続ける親鸞聖人と今、一つになり、私の目の前におられます。そう、親鸞聖人と一つの世界に生きた満之さん。私もあなたと宿業の大地において泣き、笑い、この身を投げ出したいと思うのです。私はあなたと一つの世界に生きたいと思います。私は私として、決してあなたにはなれぬままに…。

 

 
 嗚呼、燃え盛る煩悩が次から次へと沸き起こる私をして私たらしめる如来の前にあって、それでも尚、決して頭が下がることのない私の悲しさは、「闇ここにあり」と叫ぶことしか許されないのでしょうか。

 

 
 -短夜やただ風吹いて満之逝く-

 

 

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    ”真宗大谷派僧侶でもあるフォーク・シンガー、松田亜世の5年ぶりのアルバム。ごく当たり前の暮らしを慈しむ心持ちが伝わってくる歌だ。老いを感じる年代になって初めて理解できる心情があると気づかせる「ホームにて」や「迷いの海」などにホロッとする。彼なりの説法かとも思えてくる。”
    (雑誌『CDジャーナル』)


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    ”「越のしらやま」は故郷・加賀の白山をエンヤトットのリズムで唄う。アコースティック・ギターとヴァイオリンをバックに日本の夏の情景を描く「盂蘭盆会」、 3フィンガーのギターが印象的な「渇愛」など、古き良きフォークの味も。”
    (雑誌『CDジャーナル』)


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    “世代の壁を超え、普遍性を持った真摯なアコースティック・チューンだ。” (雑誌『CDジャーナル』)

  • 松田亜世: がんばるまっし
    “故郷を離れた者に向けての金沢弁応援歌「がんばるまっし」、花街の悲喜を綴った「廓唄」、漫才師の志を謳った「新宿三丁目」などどれも物語性が高い。初期の長渕剛風の繊細で少し泣きの入った歌声から、世情を変えたいという想いも伝わる。”
    (雑誌『CDジャーナル』)

    “生まれ育った文豪の街・金沢の影響からか文学の香りのする歌詞の世界が素晴らしい。曲風は70年代フォーク/歌謡曲を彷彿させる、しっとりとしながら深い情感のようなものがこもったメロディが印象的だ。”
    (雑誌『Player』)

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